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前略 パワースポーツ社長 滝川様 [トレラン・レース]

志賀野反トレイルレース40kmの部は25kmへの短縮ではなく,中止すべきだったと考えます。

少雨ならまだしも予報でも雨はむしろ強まるという中の強行は判断ミスです。
トレイル状態があそこまで酷くなるのは予測できないにしても,標高2000m付近の稜線を風雨の中でレースで着用するような薄い雨具での通過は低体温症の発生から重篤な事故を招く可能性もあったはずです。そんな雨具を用意する方が悪いと片付けないでください。
レースを途中で止めるにしてもあの40kmコースでは一端稜線に上がってしまえば逃げることはできません。
中止できないとすれば,希望の選手を送迎してでも15kmコースへ変更すべきでした。
まあ,OSJシリーズを戦う上位狙いの選手だけで出走意志を確認しての実施は構わないかもしれませんが,トレイルランの経験の浅い方まで巻き込んでの実施は止めるべきだったと考えます。(ただし,事故は無理の利く経験者に起こり易いともいえます)
レースは全て自己責任では済みません。Go No-goに関してはまず主催者の意志と判断が強く求められます。

私は滝川さんに想像してみてくださいとも言いたい。もしもご自分であの中を走っていたら,楽しむことができたのか,危険とは感じなかったのかと。

滝川さんは,第2回ハコネ50kレースが中止になったとき,今年5月25日に有志で走ろうと呼びかけられました。
そして,昨日と似たような気象条件でご自身と数名で走り始め,直ぐに止めたではないですか!
その日,私はハコネ全コースを完走しました。その時は天候が回復することが予測されていましたし,一部を除けば標高は1000m未満で条件は今回の志賀野反より遥かに優しいものでした。
有志のトレイルランは止めるのにレースは中止にしない。しかも条件は過酷だと予測されていたにもかかわらずです。これはおかしいと思います。

それと昨日のレースについてブログ等で所感が書かれていますが,ほとんどが楽しい,いい経験をさせてもらったというものでした。
本当にそうでしたかと問いたい。私は雨天のトレイルランの経験はそこそこありますが,今回は決して楽しくはありませんでした。
私は自分や仲間で腹を決めて雨天にトレイルランをやるならそれは構わないでしょう。それならいつでも気ままに止められるし,仲間となら楽しめる要素もあるとは思います。
しかし,レースは始まってしまえば己の意志で止めることは結構難しく,ついつい無理をしがちです。
それに,今回のトレイルレースの目的はアドベンチャーレースのように自然の過酷さを知り,己の限界に挑戦するものとは違うのではないでしょうか。だとすれば,29日のような天候条件で決行することはやはり間違いと考えます。

ちなみに同日29日2000人以上の参加者を集めて長野県松本市で開催予定だった自転車のヒルクライムレース,ツール・ド・美ヶ原*は中止になっています。
公道のヒルクライムレースでこの判断です。確かに雨天下山で過去事故が起きていたということもあります。
しかし,トレイルランとは別で,中止するしないは参考にならないと簡単に片付けられる問題ではないと思います。
* http://www.mspo.jp/jca08/

今後のトレイルレースの継続と発展のために敢えて申し上げました。
                                     草々 

追記
滝川さんばかり責めましたが,もちろん参加者にも責任はあります。特に私も含めた経験者ベテランです。判断を全て主催者に任せるのではなく,危険と判断すれば選手自ら皆に中止を呼びかけるということも必要です。私はそういう勇気を持ちたいと思いました。

ご存知と思いますが,7月2日の夜にタイトルを修正し,末筆を追加しました。
この記事を書いている時は感情的になっていたことは否めません。独り言ではなく,読んでいただくことを意図としておりましたので,適切ではないと考えてのことです。ただし,内容を変えてしまうのは無責任なことですのでしておりません。

7月3日追記
あえて紹介は必要ないかもしれませんが,鏑木さんが本レースに関して所感を書かれています。私と違って洞察が深くバランスの取れた内容です。
まだ,読まれていない方は是非ご一読ください。
http://tsuyoshikaburaki.livedoor.biz/
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コメント 8

小虫

こにちはー。裏箱根の長尾峠あたりで会った者です。そうなんですよね、なんか今回変でしたよね?私自身も反省は多々あるんですけど、、、
トレイルレース自体が悪いとは思わないし、嫌なら出なきゃいいというのもなんか違うし、なんか今回は疑問がいっぱいでした。もやもや。
by 小虫 (2008-07-01 12:13) 

かげマルッ

小虫さん ようこそです。ブログはたまに拝見してますよ。なかなかいいタイトルですよね。裏ハコネでお会いしたこともちろん覚えてますし,その方が小虫さんだったことも調べはついてましたよ(感じワルッ(w))。
さて,レース中3時間過ぎたあたりからなんだか怒りがこみ上げてきて(そのせいで少し寒さを忘れた),自ら突っ込んでおきながら,こんなレースはおかしいと文句を垂れて走ってました。しかし,ゴール後に嬉しそうな方もいましたが,かなり憔悴した方もいて,少し冷静になって私の考えをまとめたのがこの記事です。考えは人それぞれで自分が正しいなんて思いませんけど書かずにはおれませんでした。でも同じような感じをもたれた小虫さんがいて正直ほっとしています。いずれまたお会いしましょうね。
by かげマルッ (2008-07-01 15:53) 

のり

かげマルッさん、はじめまして。私も参加していた者です。
今回の大会、もともとエスケープルートがなく、2000mの高山地帯であることから「かなり危険なコース」との認識を抱いていました。近くのガラン沢は熊の多生息エリアであるし、一人では絶対に行かないコースと考えていました。そんなエリアでの大会であったから逆に「こんな機会でもなけれは歩けない!」との思いで私はエントリーした次第です。
しかし、今回の風雨。「もしここで骨折でもして動けなくなったら、低体温になり非常に危険だな」と感じ、下りでは抜かれまくりながら慎重に慎重に歩をすすめました(それでも限りなく転倒しました)。トレイルの泥ドロ状態は一般のハイカーがみたら泣いて悲しむ状況だったと思います。道は削られ、至るところ崩れたドロ水が流失し続けていましたね。やはりこれって明らかに自然破壊だと感じました。
走っている最中はハイテンションになっているので、他の方々がおっしゃるようにドロ遊びの快感に浸っている自分がいたのですが今、冷静になってかんがえれば、中止が正しかったと私も思います。
トレイルランニングは、太古の狩猟本能に根ざした行爲と私は考えています。だから快感なんだと思います。でもかつての狩猟も荒天時は中止だったはずですよね、きっと。


by のり (2008-07-01 16:05) 

かげマルッ

のりさん はじめまして。環境負荷については敢えて記事に書きませんでしたし,触れないことにします。それは簡単に結論付けられることではないと思うからです。しかし,今後のトレイルレースの発展を考えれば自ずとあるべき姿が見えてくるはずです。
終わって一息つくと疲れから体調を崩すこともあるのでお気をつけ下さいね。
by かげマルッ (2008-07-01 17:00) 

kaz

はじめまして。私も参加していたものです。
スタートの時から、雨具なしの軽装な人の多さにびっくりしました。あの激しい雨、2000mという標高を考えると、動いてる間はいいけど、万が一疲労や怪我で動けなくなった場合、一気に冷えてきますよね。それなりのスピードで走りきる自信がある人ばかりなのだろうか…とも思いましたが、自信があればいいのか?と、疑問にも思ってました。
おそらくランナー出身の参加者など、山が気象条件次第でいかように変わるのかを知らない人も多かったと思います。
痩せ尾根稜線の下りも、笹で滑って斜面に落ちたら…とちょっとヒヤッとする場面もありましたし、とにかくタイムがどうとかいうより、怪我もせず無事ゴールできてよかった!って気持ちが強いです。
中止にすべきだったのか、というと、遠くから参加した私は25k走れてよかったと思ってますが…
確かに、中止もやむを得ない状況だったと思います。
(朝スタート地点へ行ったとき、「え?この天気でマジでやるの??」って思いましたもの)
by kaz (2008-07-01 19:06) 

かぜねこ

甲武相山の旅さんのブログから、潜り抜けてここにきました.
私は、25キロ完走者として慙愧に絶えませんでした。
薄っぺらの雨具で低体温になったのは、自己責任として、
あのドロンコ道を回避すべくして、幾百人のひとがルートをそれてマイズルソウやガンコウランなどが生える高山植物地帯を踏み荒らしたのでしょう.
そういう私も.笹の原が中心でしたがすべるのがいやで笹に捕まりながら高山植物を踏んづけてしまいました。
国立公園内のこと、もう来年は、許可が下りないと思います。
幻の40kですね。
by かぜねこ (2008-07-01 20:37) 

我明

はじめまして。25キロに参加した者です。

初めてトレールレースに参加したので、あの過酷なレースを他の皆さんがどのように評価されているかとても気になっておりました。

私自身は、苦しかったの一言に尽きます。完走まで8時間以上かかったためか、ゴールしても何の歓びも感じませんでした。ただただ苦痛から解放されたということだけでした。

マラソンならば走るのをやめて歩けばすみますが、あの状況で動くのをやめたら、低体温の餌食になるのは目に見えてます。ひたすらゴールに向かって進むというのが、その時の自分にとってのエスケープルートでした。

他のブログで、どなたかが<ゴールではなく、まさに生還だった>と書かれていましたが、私も同感です。数え切れないほど泥の中で転倒しながら、もうこれは笑うしかないなと思うこともありましたが、決して愉快な笑いではありませんでした。やけ笑いとでもいうのでしょうか・・・。

<苦しかったけど、終わってみると楽しかった>式の感想を述べている人は、それなりに走力のある人ではないでしょうか?中には死ぬほど悲惨な思いをされた方もいるのではないでしょうか?

現にとてもショッキングな光景を目撃しています。コースの脇で、男性(スタッフの人だと思われますが)が女性を背負おうとしていました。もうひとりの男性が、その女性の身体をアルミホイールのようなもので包んでいます。保温のためでしょうか。見ると、その女性の手はぶるぶると震えていました。たぶん低体温症状態だったのでしょう。

上りも下りも泥の滑り台ような急坂です。軽そうな女性とはいえ、背負って下りられるのだろうかと思い、自分にも何か手伝えることがあるのではと立ち止まっていました。ところが、ものの数分もしないうちに、自分自身の身体が震え出してきたのです。

動かなければ自分自身も危ないと思い、スミマセンとその場を後にしました。困っている人に救いの手も差し伸べられないような状況は、異常としか言いようがないのではないでしょうか?今も後味の悪い思い出です。

主催者側から<レースは自己責任>と言われればそれまでですが、競技者サイドからもレースのあり方について改めて考えてみる場があるといいですね。

そういう意味で、かげマルッさんの発言をありがたいと思いながら読ませていただきました。

まとまらない文章ですみません。


by 我明 (2008-07-05 02:17) 

かげマルッ

我明さん 返答はしないと書いたのですが,一言だけ。コメントどうも有難うございました。
by かげマルッ (2008-07-05 02:53) 

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